ichi days

職人の日々と、ちょっとした話。

出張の帰り道。
少し時間があったので、山に寄ることにしました。

いつも一緒に登っている大工さんと。

この人と山に登っていると、毎回似たような場面に出会います。

景色より先に、鳥居や社に目が向く。
登るたびに、そんな感じです。

今回も、私が気づくより先に、その大工さんが足を止めました。

見てみると、鳥居自体が傾いているわけではありません。

ただ、
貫(まぶた)を留めている楔(くさび)が抜けている状態でした。

しかも一箇所ではなく、二つとも。

正直なところ、私は言われるまでまったく気づいていませんでした。
そういう細かい部分に、自然と目がいく人です。

納まりや構造、木の使われ方。
職業柄なんだと思います。

しばらく何も言わずに見てから、ぽつっと一言。

「これ、直してあげたいね」

ああ、この人らしいな、と思いました。

この大工さんは、私にとって
メンターでもあり、友人でもあり、ずっと尊敬している大先輩です。

特別に信仰心が強いわけでもなく、宗教の話をする人でもありません。

ただ、山に登って、
みんなが目指して手を合わせてきた場所。

そういう場所が、そのままになっているのが、どうしても気になるんだと思います。

私自身も、宗教というよりは、
自然の中に神様がいる、という感覚の方がしっくりきます。

八百万の神、という言葉のイメージに近いのかもしれません。

というわけで、
鳥居の管理をされていそうなところへ問い合わせをして、
今はその返事を待っているところです。

どうなるかは分かりません。
何も進まないかもしれない。

それでも、
あのまま何もせずに通り過ぎなくてよかったな、とは思っています。

原 弘樹 / ichi crafters

年が明けました。
気づけば、年越しをまたいでホームページと格闘してました。

正直に言うと、
何度このチャットに八つ当たりしたことか……笑
(ごめんなさい)

最近よく聞く「AI」。
主流になってきてるのかどうかは分かりませんが、
新しいものが割と好きな性格なので、
実は結構早い時期から触ってはいました。

ただ、最初は
「で、これ何に使うん?」
が全然分からなかった。

自分の仕事にどう役立つのか考えてみたものの、
さっぱり思い浮かばず、
そっとブラウザを閉じた記憶があります。笑

それが、
ある時ふと思いついて
「逆に、何ができるの?」
って聞いてみたら。

出るわ出るわ、アイデアが。笑

その瞬間、
「あ、これ個人の自分には最強のツールかもしれん」
って思いました。

一人で考えてると詰まるところを、
ポンポン投げ返してくれる。
壁打ち相手としては、かなり優秀です。

同時に、
「これ、いろんな仕事が置き換えられるやろな…」
とも思いました。

でも幸いなことに、
職人という仕事をしている自分は、
たぶん上手く距離感を保てそうです。笑

手を動かすことや、
現場で判断することまで、
全部は任せられない。

でも、
考える時間を助けてもらうには、
ちょうどいい。

年明けからは、
「次はAIで何しよう?」
「何ができるんやろ?」
そんなことばかり考えてます。笑

たぶん、
使いこなせてるわけでもないし、
正解もまだ分かってません。

でも、
しばらくは一緒に試行錯誤していくんやろな、
と思ってます。

(写真)八つ当たりしてごめん笑 → いえ、通常運転です。

原 弘樹 / ichi crafters

この年の瀬に、私はいったい何をしているんだろうか・・・

今年最後の現場を終え、時間があるときにHPの改良を行おうと思いカタカタと。
だいぶいい感じに進んできて、「よし、反映しよう」とロードする際に—— 余計なことをしてしまい、サイトが見れなくなる始末。

もうこんな時間だぜ・・・涙。
年明けまで治らないかも。
実に私らしい一年の終わりだぜ ( ´∀` )

直しては壊す。
正に私は工事会社だ!涙

(写真)年末深夜3:28。Patagoniaの壁紙だけが静かに励ましてくれた。

原 弘樹 / ichi crafters

最初から、今みたいなことをやろうと思っていたわけではありません。

振り返ると、ずっと現場にいて、その時その時で目の前の仕事をやってきただけ、という感じです。

職人としてのスタートは、内装の仕事でした。
壁や床をつくって、納まりを考えて、現場ごとに違う条件の中でどう仕上げるかを判断する。正解が一つじゃないところが、自分には合っていました。

特別に教えてもらったというより、見て、真似して、失敗して、やり直す。きれいな覚え方ではなかったと思います。

独立したのも、準備万端というより、「このままやるしかないな」と腹を括ったタイミングでした。
楽なことばかりではなくて、判断を間違えたこともあるし、人との関係で悩んだこともあります。

それでも、現場に立って、手を動かして考える仕事自体を嫌になったことはありませんでした。

内装の仕事を続ける中で、少しずつ素材そのものに目が向くようになりました。木だったり、モールテックスだったり。
仕上げ材として使うだけじゃなく、「これ自体を主役にできないか」と考えるようになった。特別なきっかけがあったわけではなくて、現場を重ねる中で自然とそうなった気がします。

一枚板に出会ったのも、その延長です。最初から商品として見ていたわけではなく、暮らしの中で使われて、時間が経って、少しずつ表情が変わっていく様子に惹かれました。
効率がいいとは言えないし、扱いにくい部分もある。でも、空間の中に一つあるだけで全体の空気が変わる。内装屋として、その存在感は無視できませんでした。

ichi crafters という名前も、「ブランドを作ろう」と思って付けたものではありません。
内装屋として現場に立ちながら、板や素材と向き合っていく中で、既製品でも下請け仕事でもない、自分なりの形が必要だと感じるようになった。その流れの中で、自然とたどり着いた名前です。

家具屋でもなく、内装屋でもなく、そのどちらでもあるような、どちらでもないような。
まだはっきり言葉にできない部分も多いですが、今はその曖昧さごと続けていこうと思っています。

これは完成した話ではありません。
だから episode 0

原 弘樹 / ichi crafters

ichi crafters のホームページを見てくれてありがとうございます。
ふだんは内装や家具づくりなど、現場で手を動かす仕事をしています。気づけば、やることはいろいろです。

そんな自分がホームページを作ることになるとは、少し前まで思っていませんでした。実際に始めてみると、慣れないことばかりですが、構成を考えたり、見え方を整えたりする感覚は、どこか現場と似ています。段取りして、触って、直して、また進める。今もその途中です。

このサイトは自作です。完璧ではないけれど、自分の手で少しずつ形になっていくのが単純に楽しい。特別なことはしていなくて、「やってみよう」と思って動いただけ。人は、その気になれば案外なんでもできる——そう思っています。

また気が向いたら、このブログで少しずつ書いていきます。現場のことや、日々思うことをゆるく。時間があるときに、また覗いてみてください。

原 弘樹 / ichi crafters