芝生広場を望む階段で手を動かす人たち

作る仕事は、地域でどう役に立てるのか

地域創生プロデューサー講座に参加して考えていること

地域創生プロデューサー講座に参加しています。

参加者の自己紹介には、いろいろ考えた末に、

「作る係です」

と書きました。

私は普段、愛知県を拠点に内装工事や店舗・住宅の改修、一枚板やモールテックスを使った家具づくりをしています。

企画や観光の専門家ではありません。

現場へ行き、寸法を測り、材料を選び、手を動かして形にする。それが、これまで自分が続けてきた仕事です。

講座へ参加するきっかけになったのは、以前、師匠と一緒に長野県の車山神社で、鳥居と賽銭箱を修繕したことでした。

最初から地域創生を意識していたわけではありません。

「どうせ山には登るので、というくらいの気持ちでしたが、ご縁が続いています」

というのが、正直なところです。

その修繕から人とのつながりが生まれ、山の祭に呼んでいただき、そこから今回の講座へつながりました。

地域創生という言葉を聞くと、自然豊かな観光地や、歴史的な町並みの再生を想像します。

私自身も、休日や仕事に行き詰まったときは、都市部を離れて山や海へ向かいます。

自然の中に入り、一度立ち止まって考え直す時間に、何度も助けられてきました。

そのため、地域の活動を考えるときも、最初に思い浮かぶのは東海地方の山間部や海沿いです。

一方、自分の仕事の拠点である一宮・江南・尾張地域にも、尾州の織物、のこぎり屋根の工場、木曽川、古い建物、地域で仕事を続けてきた職人など、日常の中に埋もれているものがあります。

「何もない」のではなく、近くにありすぎて、その価値が見えにくくなっているのかもしれません。

講座の中で、私は次のように書きました。

「現場で物を作る仕事はしていますが、それが地域の中でどう役に立てるのかは、正直まだ分かっていません」

今も、この答えが見つかったわけではありません。

ただ、空き家や古い建物は、直して活用できる技術があれば、単なる地域の課題ではなく、次に使える資源へ変わる可能性があります。

職人の技術も、ただ安く工事を請けるだけでは次の世代へ残りません。

技術が正当な値段で評価され、仕事として続けられる仕組みまで考える必要があります。

内装工事、家具づくり、空き家の改修。

今まで別々の仕事に見えていたものが、地域という視点から見ると、少しずつつながり始めています。

将来的には、不動産や地域の事業者と組み、空き家に手を入れて付加価値をつけ、住まいや店舗、地域の活動拠点として再び使える形にする仕事へ関わりたいと考えています。

これは、まだ始まっていない目標です。

空き家を再生した実績があるわけでも、具体的なプロジェクトが決まっているわけでもありません。

まずは地域に何が残っているのかを知り、現場へ行き、人の話を聞くところからです。

企画する人がいて、伝える人がいて、地域の内外をつなぐ人がいる。

その中で、自分は何ができるのか。

今のところ、答えはやはり、

「作る係です」

なのだと思います。

ただ作って終わるのではなく、その場所や仕事が次へ続くところまで考えられる作り手になれるか。

講座を通して、しばらく考え、動いてみようと思います。

ichi crafters