
内装工事と家具製作を一人に頼むと、何が変わるのか
素材から空間まで、継ぎ目なく仕立てるために考えていること
店舗づくりでは、内装工事と家具・什器製作を別々に頼むこともあります。それぞれに専門性があるため、進め方として自然な選択です。
一方で、カウンターや什器が空間の使い方を大きく左右する店舗では、壁や床と家具を切り分けずに考えることで、完成後の見え方や動き方が変わることがあります。
ichi craftersでは、必要な専門職と連携しながら、内装と家具のあいだをつなぐ一つの窓口として、素材から空間までをまとめて考えています。
内装と家具を別々に頼むと起こりやすいこと
内装業者と家具業者が別になると、壁ができてから家具の寸法を詰める、あるいは家具の図面に合わせて現場側で調整する、という順番になりやすくなります。もちろん問題なく進む現場もありますが、寸法の基準や「ここまで含める」という認識がずれると、細かな調整が後半に集まりがちです。
たとえば、カウンターの天板が壁にどう取り合うか、床の見切りをどこで止めるか、照明が手元に影を落とさないか。ひとつずつは小さなことでも、空間を使い始めてから気になる部分になりえます。
図面上の寸法だけでは決められない部分
カウンターは、幅と高さだけで決まるものではありません。レジに立つ人の手元、商品を選ぶお客さまの動き、トレーを置く位置、すれ違うための通路幅まで、使う場面を重ねて考える必要があります。
木、モールテックス、壁、床、照明も同じです。色や素材感だけでなく、厚みや端部の納まり、触れたときの印象を空間全体で整えることで、あとから足した感じが出にくくなります。
ドーナツ店のカウンターで考えたこと
今回のドーナツ店では、モールテックス仕上げのレジ台、桂の木を使ったカウンター、商品を選びながらトレーを滑らせて進めるカウンター、そして桂の板を使った手荷物置きを製作しました。
ここでは、レジ台だけ、木のカウンターだけを単体で考えたのではありません。お客さまが商品を選ぶ順番と、トレーを持つ手の動き、レジ前で立ち止まる位置を想像しながら、カウンターの高さや奥行き、周囲の余白を整理しました。

モールテックスの面と木のカウンターの距離感、壁や床との境目も、別々の仕上げがぶつからないように調整しています。営業中に使いやすいことと、素材の表情が空間の中で自然につながること。その両方を見ながら製作しました。
一つの窓口でつなぐことで変わること
打ち合わせの窓口がまとまると、同じ説明を何度も繰り返さずに済みます。「ここは人が通る」「ここにはトレーを置く」といった話を、内装と家具の両方にまたがる前提として共有できます。
現場で調整が必要になったときも、内装の問題か家具の問題かを先に切り分けるのではなく、空間としてどう納めるかを考えやすくなります。すべてを一人だけで施工するという意味ではありません。電気や設備など必要な専門職と連携しながら、その境界があいまいになりやすい部分をつなぐ役割です。
まとめて依頼することが向いているケース
造作カウンターや什器が店の動線に深く関わる場合、素材の組み合わせにこだわりたい場合、内装と家具の話を一つずつ整理しながら進めたい場合は、まとめて相談する進め方が合うかもしれません。
まだ寸法や素材が決まっていなくても大丈夫です。どんな使い方をしたいか、どこで迷っているかから、一緒に整理していけます。
ichi crafters
原
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